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STORY

#11 個人でやれる限界を越えていく。フリーランスの菅井がpumpで選んだ、映像ディレクターとしての関わり方

フリーランスとして、企画・撮影・編集まで一人で手がけてきた菅井。

自分の技術で勝負できる自由さと引き換えに、「営業の負荷」「ひとりで抱えきれない案件量」「突然のクライアント離脱」といったフリー特有の壁にも何度も直面してきた。

そんな菅井が選んだ次のステップが、pumpでの「業務委託」としての柔軟な関わり方。

組織にジョインしつつ、自分のペースとスキルを保ちながら働く選択肢だ。

「ひとりでは得られない刺激」と「仲間がいることで広がる表現」。

フリーランスから一歩踏み出した菅井が、なぜpumpを選び、どんな未来を描こうとしているのか。そのリアルを聞きました。

好きだった「イベントと映像」を仕事として選んだ最初の一歩

Q)映像業界に入られたきっかけや、最初の仕事を教えてください。

菅井: 映像に興味を持ったのは大学時代で、音楽と映像がなんとなく好きだったのがきっかけです。

仙台の田舎の大学で、映像の学部のようなものはなくて、当時はライブの設営など、イベント系のアルバイトをしていました。

就活では、そのイベントの仕事が単純に楽しかったので、教授の紹介で廣済堂に入社しました。母体は印刷会社ですが、僕が所属していたのはイベント事業部です。

2年ほど働いたのですが、イベント事業は天候に売上が左右されることも多く、事業部としての業績が伸びずに解体されることになりました。翌年度から印刷営業を担当してほしいと言われたのですが、まったく興味が持てず、転職を決めました。

新入社員研修で印刷工場にも行きましたが、「これから紙媒体はどんどん減っていくだろうな」と感じていたこともあり、営業になる前に退職しました。

その後、二番工房に転職しました。大学時代からイベントと映像に興味があったので、「イベントの次は映像をやってみたい」と思ったのが理由です。

大学ではアニメを描くくらいのことしかできず、教科書のパラパラ漫画的なものをスキャンして映像にしたりしていましたね。

Q)イベント事業を経て、今度は映像制作の会社に転職されましたが、二番工房ではどのようなお仕事をされていたのですか?

菅井: PM(制作進行)として、予算管理やスケジュール管理を担当していました。

pumpでいうと、小船さんや佐藤さんのような立ち位置で、大手の制作会社だと「PMからプロデューサーへ」というキャリアステップを前提にした募集も多いポジションです。

二番工房には2年半ほど在籍していました。

Q)廣済堂や二番工房での経験は、ご自身にどのような影響を与えていますか?

菅井: 廣済堂時代は、人生で一番しんどかった時期だと思います。とにかく働きまくっていましたし、業界的にも当時はハラスメント的な文化が残っていました。

ただ、その経験があるからこそ、今の仕事がかなり楽に感じられる部分もありますし、「働くとはどういうことか」というベースを若いうちに叩き込んでもらえたとも思っています。振り返ると、良い経験だったな、と。

カメラも編集も全部自分で。フリーランスへの一歩

Q)イベント事業、映像制作を通じてフリーランスに転向されたと思いますが、きっかけを教えてください。

フリーランスになったきっかけは大きく2つあって、1つは予算のない案件で、自分がカメラも編集も全部やることが増えてきて、「こっちの方が楽しいな」と思うことが多くなったこと。

もう1つは、周りの監督やカメラマン、照明技師など、多くの人がフリーランスで、「そっちのほうが自由にやれて楽しそうだな」と感じたことです。

Q)今では企画・演出・撮影・編集まで、幅広く手がけていると思いますが、どのように身についていったのでしょうか?

菅井: フリーランスになるときには、「ディレクターをやりたい」という思いがありました。

ただ、最初から潤沢な予算の案件が来るわけではないだろうと想像していて、「予算のない仕事でも、自分ひとりで完結できたほうが案件を取りやすい」と考えたんです。それで、企画・演出・撮影・編集を一通りできるように学びました。

もともと映像そのものは好きだったので、二番工房時代から制作進行の仕事だけに固執せず、カメラマンや照明さんに「この機材なんですか?」「今なにをしているんですか?」とよく質問していました。

そうやって少しずつ、現場で覚えていった感じです。

Q)フリーランスになって、ご自身の仕事のスタイルに変化はありましたか?

菅井: フリーランスになってからは、とにかく自分から動いて情報を取りに行くようになりました。

営業の仕方もそうですし、カメラの使い方、編集のテクニック、経費の扱い方や確定申告など、“仕事とお金の流れ”を理解する必要があったので、学ばないといけないことが一気に増えました。

会社員のときと違って、仕事の全体像やお金の流れを、自分でちゃんと把握しないと成立しないので、その経験は今でも大きな財産だと感じています。

成果も責任もすべて自分に返ってくる世界

Q)フリーランスとして活動する中で、どんなやりがいや楽しさがありましたか?

菅井: 一番のやりがいは、「自分が頑張った分だけちゃんと成果が返ってくる」ところですね。

もちろん、サボればそのまま自分に返ってきますが、そのシンプルさが気持ちよかったです。

サラリーマン時代のPMは、プロジェクト単位で見ると一番働いているのに、評価されにくい立場でもありました。

業界誌に名前が載るのは監督やカメラマン、プロデューサーで、PMの名前が出ることはありますが、あまり評価されにくいと感じています。金銭的にも楽ではなく、「200時間、残業してこれか…」と思うことも正直ありました。

Q)楽しいだけでは納得しきれない部分があったと…。一方で、フリーランスならではの課題やモヤモヤもあったのでしょうか?

菅井営業活動に時間を割かなければいけないのは、やっぱり難しさを感じていますね。

マンパワーが必要な仕事なので、ひとりでやっていると限界があります。

クライアントとの関係も、ある日突然切れてしまうことがあります。

「案件が急になくなったけど、これは自分の問題なのか、先方の事情なのか?」が分からないまま、考えてもしょうがない、と思いつつモヤモヤすることも多かったです。

Q)仲間と一緒に制作することについては、当時どのように考えていましたか?

菅井: 一人でできることには、やっぱり限界があります。

案件の数もさばけませんし、クオリティの部分でもチームの力には敵わないところがあると思っています。

なので、営業に強い人や、編集に特化した人など、得意分野の違うメンバーと役割分担してやれたらいいな、という思いはずっとありました。

幅広い制作ジャンルとクオリティに惹かれたpumpとの出会い

Q)pumpを知ったきっかけや、関わるようになった経緯を教えてください。

菅井: 営業活動の一環として、毎月1日に各社の採用サイトをチェックする習慣をつくっていたんです。

その中で、CINRA JOBでpumpを見つけました。

実績を見てみると、ジャンルが幅広く、どれもクオリティが高かった。

CMがメインの制作会社は多いですが、「CMの仕事がクリエイターとして本当に面白いのか?」という疑問もどこかにあって…。

そういう中で、pumpがやっているMVなどの仕事は純粋に「面白そうだな」と感じて、応募しました。

Q)実際に関わってみたpumpの印象はいかがですか?

菅井: とにかく少数精鋭だな、という印象でした。僕が関わり始めた頃は、今よりさらに人数が少なかったです。

小船さんや小笠原さんなど、プロデューサー陣は肩書きこそ「P」ですが、編集もバリバリするし、現場では仕切りもするし、「なんでも屋の集まり」という感じがしました。

それと、みんな本当にいい人です。

特に小船さんは、こちらが心配になるくらい気遣いがすごい(笑)。そういう人柄の良さも含めて、「ちゃんとしたチームだな」と感じています。

Q)業務委託という形で働くことについては、どう感じていますか?

菅井: 立ち位置としては、ほぼ社員に近い感覚で関わらせてもらっています。

社内会議にも参加させていただいていて、会社の経営や組織運営の一端が見えるのは、フリーランスだけでは得られない視点だと思います。

人数が増えたからこそのルールづくりや、会社としての動き方が見えてくるので、学びも多いです。

企画から編集まで。現場に合わせて動く“マルチなディレクター”

Q)現在、pumpではどのような役割を担っていらっしゃいますか?

菅井: 基本的にはディレクターとして、案件に応じて企画・演出・カメラ・編集まで、必要な役割を臨機応変に担当しています。

Q)その中で、特に意識していることは何でしょうか。

菅井: CMベースの案件が多いので、「クライアントが喜ぶこと」が最優先だと考えています。

クライアントが喜ぶというのは、単に「映像がカッコいい」ということだけではなくて、その映像によってクライアントの商品やサービスがちゃんと売れることだと思っています。

なので、ビジネス的な視点は常に持っておきたいですし、「見た人の購買意欲につながるか」というところは意識しています。

異なるバックグラウンドが集まるからこそ、生まれる学び

Q)ご自身の強みが、pumpではどのように活きていると感じますか?

菅井: 最近は若手メンバーが増えたこともあって、技術面の質問をされることが多くなりました。

カメラや編集、ワークフローの話など、これまで自分が積み上げてきた経験を「教えてほしい」と言ってもらえるのは素直に嬉しいですし、自分の強みがチームに還元できている感覚があります。

Q)チームで制作する中で、「組織だからこそ得られる」と感じる瞬間はありますか?

菅井: pumpは中途入社が多く、しかも映像業界未経験で入ってきたメンバーも少なくありません。

その分、自分が映像業界で当たり前だと思っていたやり方を見直すきっかけにもなりますし、「その発想のほうが効率的だな」と学ばされることも多いです。

映像業界全体として、まだ昭和的な働き方が残っている部分もあると思います。

そこに他業界の価値観や、新しい感覚を持った人たちが入ってくることで、いい意味でアップデートされていくのは、組織で働く面白さだと感じています。

Q)月1勉強会の主催も担当されていると伺いました。どのような場になっていますか?

菅井: 月1勉強会は僕が主催していて、自分がこれまで経験や感覚でやってきたことを、一度整理して言語化し、若手に伝える場になっています。

個人的にも、アウトプットすることで自分の理解が深まりますし、会社としても若手のスキルアップの一助になればいいなと思っています。

広告もMVも。好きな表現を続けながら広げていく未来

Q)今後、挑戦してみたいジャンルや表現はありますか?

菅井: これからも広告案件を軸にしつつ、MVなど他ジャンルの映像にも関わっていきたいです。

Q)その中で、今後さらに発揮していきたい価値は何でしょうか。

菅井: 自分は個人でも学び続けていることがたくさんあるので、そのインプットをpumpという場でちゃんとアウトプットしていきたいです。

自分の中で閉じるのではなく、チームに還元して、全体の底上げにつながるような関わり方ができればいいなと思っています。

Q)個人とチームの両方を経験されている中で、今後どのようなキャリアを描きたいと考えていますか?

菅井: pumpという組織も、自分個人としても、それぞれが成長していけるような関係でいたいです。

フリーランスのときに培った「個人としての感覚」と、組織の中で動く今の感覚、その両方を活かしながら、いいバランスでキャリアを積んでいけたらと思っています。

仕事で自分をすり減らさず、楽しめる環境を選んでほしい

Q)最後に、フリーランスか会社員か、働き方に迷っている方へメッセージをお願いします。

菅井: 「自分らしいキャリア」を大事にしたい人には、pumpのような環境はすごく合うと思います。

映像業界には、今でも昔ながらの働き方が残っていて、心や体をすり減らしてしまう人も少なくありません。でも、仕事のせいで自分らしさを失ってしまうのは、やっぱりもったいないし、悲しいことだと思うんです。

楽しく、ポジティブに、自分らしく働きたい。

そう思っている人には、ぜひ一度、こういうチームでの働き方も知ってもらえたら嬉しいです。

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