前職ではグッズ制作会社で布印刷物のグラフィックデザインを担当してきた小杉。
1日15件以上のデザイン制作に向き合いながら、レイアウトやフォント選びといった平面の表現を磨いてきました。
その一方で、どこかで「もう少し踏み込みたい」という気持ちも芽生えていったといいます。
なぜこの色なのか。なぜこの表現なのか。
背景や構造を考えることが自然だった小杉は、やがて静止画だけでなく、「動き」にも関心を持つようになりました。
デザインから映像へ。そしていま、pumpでプロデューサー/ディレクターを目指す小杉の現在地と、その思考の変化について話を聞きました。
「構造を知りたい」という原点
Q)まずはこれまでのキャリアを簡単に教えてください。
小杉:大学ではスポーツ医科学を専攻していました。コーチングや体育教育というよりは、構造的に学問として研究する分野で、運動生理学の研究室に所属し、生薬が筋肉にどのように作用するかを研究していました。
学生時代は陸上競技でハードルに取り組んでおり、全国大会にも出場しました。 父が高校の体育教員で陸上を教えていたこともあり、小学校からずっと陸上を続けてきました。
新卒では社員20名ほどのグッズ制作会社に入社し、5年間在籍しました。横断幕や幟旗などの布製品を自社工場で制作している会社です。もともとはベトナム駐在の現地管理者候補の募集に魅力を感じて応募しました。当時は環境を変えて日本から一度離れたいという思いが強く、デザイナー志望で入社したわけではありませんでした。ただ、コロナの影響でベトナム駐在は実現せず、海外の工場も閉鎖となりました。
その後、2025年8月にpumpへジョインしました。
偶然始まった、グラフィックデザインの現場
Q)もともとデザイナー志望ではなかったとのことですが、実際にはどんな仕事からスタートしたのですか?
小杉:総合職として入社し、1年目は営業を担当しました。2年目からグラフィックデザイナーとして業務に携わるようになりました。小規模な会社だったため、デザインだけでなく自社サーバーの保守などシステム周りも担当していました。
主にIllustratorを使用して、オーダーメイド商品のデザインデータを作成していました。納期が早いお客様だと依頼を受けた当日中にデザイン決定が必要な場合もあり、新規と修正を合わせて1日15〜20件ほどデータ作成を対応していました。
始業から終業まで時間に追われながら1日中手を動かしている感覚でした。デザイナチームは8名ほどで少数精鋭でした。
Q)かなりハードな環境だったと思いますが、その中で身についたと感じることは何ですか?
小杉:平面デザインを構築する力は確実に身についたと感じています。レイアウトの整え方やフォント選びなど、毎日向き合うことで自然と精度が上がっていきました。
もともとPC上でデジタルのクリエイティブツールを触ることが好きで画像編集や映像制作ソフトを触るなど、表現そのものへの関心はありました。
静止画に、物足りなさを感じ始めた
Q)一方で、物足りなさや限界を感じることもあったのでしょうか?
小杉:ありました。1日に何十件もデザインを制作するのですが、1件にかけられる時間は短くどうしても似た構成のものが多くなります。もっとクライアントと直接話しながら、時間をかけて広告デザインを制作したいと思うようになりました。
このままでは自分の成長が頭打ちになるのではないかという不安もありました。
また、Illustratorで制作する静的なデザインに没入感を持たせるには「動き」が必要だと感じるようになりました。そこからモーショングラフィックスに興味を持ち、さらに実写映像にも関心が広がり、自費でミラーレスカメラも購入しました。
Q)そこから映像への関心が強まっていったのですね。きっかけは何でしたか?
小杉:文字デザインの展覧会でタイポグラフィのデザインが自由自在に動いている映像を見て驚いたことが大きかったです。モーションを加えることでより個性を出せると感じました。
また、映画のような画のトーンを自分も作ってみたいと思い、「どうやってこの色を出しているのだろう」と考えるようになりました。そこからDavinchi Resolveを独学で触り始めて映像表現の奥深さを実感しました。
幅広く学べる場所を求めて、飛び込んだ映像の世界
Q)その流れでpumpへの転職を考えたのですか?
小杉:そうですね。とにかく幅広く学べる環境に行きたいと思いました。規模が大きい会社だと役割分担が明確で、経験領域が限定される印象がありました。
pumpはプロデューサー/ディレクターの垣根なく動けて、編集作業も自身で行う機会があると聞き、受注から納品まで一連の流れを様々な視点から学べるのではないかと感じ、入社を決めました。
Q)実際に入社してみて、印象はどうですか?
小杉:幅広く学べる環境であることは間違いありません。ただ、業界理解が浅いまま飛び込んだので、正直チャレンジングな環境だと感じています。
他のメンバーは映像のバックグラウンドがあり、アイデアの引き出しが多いです。自分は映像に対する知識や教養が深いわけではないので、素養の差を感じることもあります。
ただ、その分近くで学べる環境でもあると感じています。
デザインに“動き”を宿し、表現の幅を広げる
Q)これまでのデザイン経験は、今どのように活きていますか?
小杉:まだ全面的に活きている実感はありませんが、映像内のデザイン部分を任せてもらえる機会は少しずつ増えてきました。これまでの経験を理解してもらえている感覚はあります。
Q)入社して半年ほど経ちましたが、できるようになったことを教えてください。
小杉:前職ではPC作業中心だったため、撮影現場での立ち回りは最初かなり苦労しました。ただ、先輩に同行しながら少しずつ理解できるようになってきました。
編集スキルも向上していると感じます。副業レベルでの経験はありましたが、クライアントワークにおける編集の基本ルールや責任の重さを学びました。
Q)最後に、今後の目標を教えてください。
小杉:今後はこれまでのグラフィックスキルを活かしながら、モーション領域の知見を増やしていきたいです。デザインに動きを加えられるようになり、表現の幅を広げたいと考えています。
また、まだ業界歴は半年なので、どのポジションでも一定水準で動ける人材になることが目標です。


