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STORY

#6 業界未経験から映像制作の現場へ。「全部できる」表現者を目指して

グラフィックやディスプレイデザイン、編集・撮影まで。「全部できるようになりたい」という想いを胸に、映像業界に飛び込んだ尾﨑。

前職ではアパレルブランドの世界観づくりを支えながら、映像制作の面白さと難しさを知ったといいます。業界未経験からpumpに転職した現在、現場での実践を通じてどんな学びや変化を感じているのでしょうか。

本記事では、尾﨑のこれまでのキャリア、pumpでの仕事、そしてこれから目指す未来について聞いてみました。

ものづくりの“かたち”を問い続けた、学生時代

Q)大学・大学院ではどのようなことを学ばれていましたか? 工学・デザイン学科を選んだ理由も含めて教えてください。

尾﨑:大学では工学部のデザイン学科に所属していました。いわゆる美大とは異なり、工学的な視点から幅広いデザインを学べる環境で、グラフィックやモビリティ(乗り物系)のデザイン、人間工学、空間設計、デザインエンジニアリングなど、多岐にわたる分野に触れていました。

もともと「デザイン」に漠然とした興味があったので、まずはいろんなことを学びたいという思いでその学科を選びました。学部4年からは「意匠形態学」という分野を専攻していて、デザインの形態を分析し、その意味や機能、美的価値などを、分析的および直感的な視点から掘り下げていました。

研究テーマは「大量生産が主流の現代において、人の手による非効率なものづくりに、なぜ価値が見出されているのか」。最終的には、そうしたものづくりの中に“人と人とのつながり”を感じられるからだという結論に至りました。

Q)映像に興味を持ったのは、いつ頃・どんなきっかけだったのでしょうか?

尾﨑:大学時代にアルバイトしていたカフェで、卒業する先輩のために送別動画を作ることになったのが最初のきっかけです。店舗の先輩から「盛大に送り出すことで、後輩たちの居場所づくりにもつながるんじゃないか」という提案があり、僕も「映像の引き出しが増えるなら」と参加しました。 完成した動画を見た先輩方がすごく喜んでくれて、それがそのまま映像や制作に対する興味の原体験になっています。

デザインとは、人の想いをつなぐ手段——前職で培った表現への視点

Q)前職では印刷物の制作や空間デザイン、イベント運営など、幅広く担当されていたそうですね。入社の背景や印象に残っている経験、今に活きていることはありますか?

尾﨑:新卒で入社した会社はアパレルのブランドを運営する会社だったのですが、大学院時代の研究テーマとも親和性を感じ、人の温度を感じられるものづくりに携われると思い入社しました。

たとえば、自社で綿(コットン)を栽培するところから服づくりを行い、また職人自らが店頭に立ち接客をするなど、手仕事から始まる人と人の繋がりを大事にしている会社でした。

服やテキスタイルの専門知識はなかったのですが、その背景にある価値を世の中に伝えたいという思いがありました。実際には、ECサイトやSNS運用、公式LINEの毎日配信(週4回程度は映像)など幅広く担当していました。YouTubeやLINE動画を通じて、顧客に“届く”映像づくりを意識していました。

映像への「もっと知りたい」が、pumpへの転職につながった

Q)pumpへの転職を決めた背景や理由を教えてください。

尾﨑:転機になったのは、前職で関わったクラウドファンディングの企画です。地域に住む空手の世界ランカーを応援する社内プロジェクトにアサインされ、構成・撮影・取材・執筆・リターン設計まで、ほぼすべてを担当しました。

もともと武道経験もあり、社内の撮影チームにも所属していたので声がかかったのですが、映像を軸にいろんな経験ができることがとても楽しかったんです。

ただ、その映像の仕上がりを見て「もっとクオリティを上げられた」と強く思ったことも事実でした。「知っているかどうかで映像の質は大きく変わる」と実感し、もう一度きちんと学び直したいと思ったんです。

自分にとってデザインは「課題解決の手段」であり、自分の在り方そのものでもあります。映像を通じて、それをさらに深めたいと考えたのが、pumpへの転職理由です。

Q)映像業界未経験での転職だったとのことですが、転職活動ではどんな点を意識していましたか。

尾﨑:「映像制作も広義の“デザイン”である」と捉え、専門知識はなかったが深く学びたいという思いが強くありました。

学生時代から少しずつ映像に関わってきた延長線でもありますし、さらに深く学べるいい機会とも捉えていました。

業界未経験でも武器になるスキルとは

Q)業界未経験でも、今活躍できていると感じるエピソードがあれば教えてください。どのようなスキルが役に立っていますか?

尾﨑モーショングラフィックやテロップといった、グラフィック的な視点はすごく役に立っています。大学時代に学んでいたデザインの知識がベースにあるので、視認性や可読性を意識した設計や編集が自然とできているとおもいます。

たとえば、アイスの食感を文字でどう表現するか、といったときに、動きやリズムで「なめらかさ」や「ひんやり感」を伝えようと工夫します。

もともと“動かない”グラフィックをつくる感覚でいましたが、今は“動くことを前提とした”グラフィックにシフトしていて、意識も大きく変わりました。

最近では、日本大学の理事長によるYouTube対談の編集も担当しています。

(Nihon University (nichidai) YouTubeチャンネル)

対談を聞きながら、会話の自然な流れを保つように編集していく中で、物事を順序立てて整理するのが得意だな、と気づくこともありました。こうしたスキルや強みも、映像の現場で活かされていると感じます。

クライアントワークの厳しさと楽しさ

Q)前職では「一人で進行管理」を担っていたと伺いました。pumpに入社後、どのような変化がありましたか?

尾﨑:前職はインハウスの制作チームだったので、良くも悪くも“甘えられる”環境でした。たとえば、提案も過去のやりとりを前提にしていたため、言葉にしなくても何となく通じてしまうことも多かったです。

一方で、pumpではクライアントワークが中心で、毎回相手が変わります。そのため、言語化して丁寧に伝える必要があると痛感しています。以前は提案内容も箇条書き程度で済ませていましたが、今は絵コンテを作るなど、クライアントの合意形成に向けた資料づくりの大切さを強く意識するようになりました。

また、pumpでは、色や音の調整を専門に担うスタッフさんをはじめ、カメラマンやエディターなど、案件ごとにさまざまな外部パートナーと連携しながら映像をつくっています。

前職ではなかなか踏み込めなかった色味や整音といった細部にも、今はこだわって制作できる。それぞれの専門性を活かしながら、チームでより良い映像を目指せる環境があることは、大きな変化だと感じています。

案件ごとに関わるメンバーも変わるので、毎回新たな学びや刺激があり、それがとても楽しいです。

学べる現場、支えてくれるチーム——pumpで得た働く土台

Q)撮影・編集・演出など、各工程をどのように学んでいるのでしょうか?

尾﨑:同じような作業でも、案件の性質や担当者によってアプローチがまったく違うので、「なにがどう違うのか」を観察するのがとても面白いです。

映像制作って、再現性がないからこそ知識があるほど強いと思っています。

現場では武道でいう「見取り稽古」のような感覚で学んでいます。わからない単語ややりとりがあれば、すぐにメモして、あとで調べて理解を深めるようにしています。

たとえば色の調整など、これまで触れてこなかった分野も、見聞きしたことをフックにどんどん知識を広げていくイメージですね。未経験だからこそ「これはなんだろう?」という視点を持てて、その問いが学びにつながっていると感じます。

Q)pumpのチームの雰囲気や働き方で、「これいいな」と感じる部分はありますか?

尾﨑:相談のしやすさがあるところです。業界未経験で入ったので、わからないことばかりでしたが、「これってどういうことなんですか?」と気軽に聞ける雰囲気があって、とてもありがたかったです。

pumpのメンバーはそれぞれバックグラウンドが異なるので、得意な領域も人によって違います。関わっている案件に限らず、誰にでも相談できるので、新しい視点や考え方に触れられる機会が多いですね。

また、会社の規模感もちょうどよいと感じています。大きすぎると全員と関係性を築くのが難しくなってしまいますが、pumpはちょうどいい距離感でチームとしての一体感があります。

pumpでの仕事——制作という立場から、映像全体に関わる

Q)現在、どのような業務をメインで担当されていますか?

尾﨑:案件によって関わり方はさまざまですが、現場制作としての関与が多いです。撮影から編集までを担当することもありますし、画面上の要素としてのグラフィックを担うこともあります。

前職では、企画から撮影、編集、リリースまでを1人でこなすことが多く、非常に短いスパンで制作していました。スピード重視の制作スタイルだったので、色や音といった細部にこだわる余裕はなかったです。

pumpに入ってからは、「撮影ってこんなに準備が大事なんだ」と驚きました。編集は学生時代から趣味でやっていたのですが、今はより専門的な視点で向き合えるようになりました。

Q)映像制作において、今のご自身が大切にしていることは何ですか?

尾﨑「自我を出さないこと」を大切にしています。 制作を進める中で、自分のやりたい表現を優先したくなる瞬間もあるのですが、それが本当に作品の目的に合っているかを常に問い直すようにしています。

この制作を通して誰に何を届けたいのか。それがちゃんと伝わるかどうかを一番に考えて、映像の構成や演出を組み立てています。

Q)最近携わった案件で、印象に残っているものはありますか?

尾﨑:とあるアパレルブランドのWeb広告案件が印象に残っています。WebCMのメイキング映像の撮影と編集をひとりで担当させていただきました。

カメラを回すところから編集まで、のびのびとやらせていただきましたが、あとで自分の撮影素材を見返したときに、「もっとこうすればよかった」と思う部分もありました。

ただ、それが次のインプットにつながる感覚がありました。一度アウトプットしてみることで、反省点や改善点が明確になり、それが次の制作に活きてくる。そうした循環を実感できたのが大きな収穫でした。

全部やれるようになりたい——表現者としてのこれから

Q)今後、映像づくりにおいて挑戦してみたい表現やジャンル、役割はありますか?

尾﨑:短い尺の映像、特に6秒や15秒などの広告表現に挑戦してみたいです。これまで長めの動画をつくることが多かったので、限られた時間の中でどれだけ伝えられるかという表現に強い関心があります。

他の映像作品を見ていても、6秒で驚くほど多くの情報が伝わってくることがあって、それがすごく面白いなと感じるんです。「制約のある自由」の中で、自分がどこまで工夫できるのか。そうした挑戦に、今はワクワクしています。

Q)pumpの中で、今後どのようなポジションや関わり方を担っていきたいですか?

尾﨑「全部できる」存在になりたいと思っています。 就職活動をしていた頃から、写真も映像も編集もできて、文章も書けるような、いわば“マルチクリエイター”に憧れがありました。

映像に限らず、紙媒体やグラフィック、Webなど、表現の手段を横断できる人になりたいという思いがあります。その中でも、映像では演出・撮影・編集・色・音といった各工程を自分の手で担えるようになりたいです。

いろんな人のやり方を見て、そこから学ぶことを大切に、これからも成長していきたいと思います。

Q)最後に、映像に興味があるけれど不安を感じている方へ、メッセージをお願いします。

尾﨑:私自身、業界未経験でpumpに入りましたが、それでも入社半年で本当にたくさんの機会をいただいています。未経験だからこそ感じるプレッシャーもありますが、それ以上に「映像ってすごい」と思える感動の連続です。

大きな制作に関わったときの達成感や、自分が関わった作品が世に出るときの喜びは、やっぱり格別です。そして何より、同じ目標に向かって走る仲間との一体感があることも大きな魅力だと思います。

映像に少しでも興味があるなら、きっと世界の見え方が変わる体験が待っていると思います。私もまだまだ学んでいる最中ですが、そんな日々の積み重ねを一緒に楽しめる人が増えたらうれしいです。

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